開業に合わせてホームページを用意したいけれど、できるだけ制作費を抑えたい。自分で作れそうなサービスやAIを見つけても、税理士事務所のサイトとして使えるのか、公開後も管理できるのかは気になるところです。
税理士のホームページは自作できます。WordPressやホームページ作成サービスに加え、AIに原稿やページの作成を手伝ってもらう方法もあります。ただ、どの方法でも「誰の、どのような相談に対応する事務所か」を決める作業は必要です。
自作の方法や費用の確認項目を押さえ、原稿づくりから公開後の更新まで担当できるか確かめましょう。
税理士のホームページを自作するかは、目的と使える時間で決める

まず決めたいのは、ホームページにどのような役割を持たせるかです。紹介を受けた人に見てもらう場合と、検索から新しい相談を増やしたい場合では、用意する情報や公開後の取り組みが変わります。
紹介された人に事務所を知ってもらうためのサイト
知人や金融機関から紹介された人は、相談前に先生の名前や事務所名を調べることがあります。対応業務、代表者の経歴、料金、相談方法が分かれば、依頼を検討する際の判断材料になります。
「法人の税務顧問」「個人の確定申告」など、受けたい相談の内容を具体的に書きましょう。
検索から新しい相談を増やすためのサイト
地域名や相談内容で検索する人に見つけてもらうには、それぞれの業務について説明するページや、相談前の疑問に答える情報が必要になります。対象地域や得意業種に合わせた内容を考え、公開後にも見直していく前提です。
自作だから検索に弱い、外注だから集客できるとは決まりません。
制作だけでなく更新やトラブル対応の時間も確保する
公開前には、原稿作成、写真の準備、操作の確認、表示テストが発生します。公開後も、料金や営業時間の変更、契約更新、フォームの受信確認といった作業は残ります。
自作を考える際は「完成させられるか」と「運用を続けられるか」の両方を確かめましょう。まずは、目的と自分で担当する作業を書き出してみてください。
自作ツールは、更新のしやすさと管理する範囲で選ぶ

ツールを選ぶときは、料金の修正や記事の追加を自分でできるか試します。AIを使う場合も、生成した後の編集方法まで確かめると選びやすくなります。
WordPressはページ構成や記事を自分で管理したい場合に検討する
WordPressは、ページや記事を管理するためのソフトウェアです。ここでは、自分でサーバーを用意して導入するWordPress.orgの方式を指します。ソフトウェア自体は無料ですが、公開環境や利用する有料テーマなどの費用は別です。
業務別のページや記事を追加する運用を考える場合の候補になります。一方、更新、バックアップ、不具合時の対応を誰が担当するか決めておく必要があります。
ホームページ作成サービスは操作方法と必要な機能を試して選ぶ
WixやStudioなど、ブラウザー上でページを編集して公開するサービスもあります。文字や写真の配置方法、スマートフォン表示の調整方法はサービスごとに異なるため、実際に触って確かめます。
料金表を直す、業務ページを増やす、お知らせを投稿する、フォームの通知先を変える。公開後に行う作業を試せば、自分に合うか判断しやすくなります。
無料プランは独自ドメイン・広告表示・移行条件を確認する
独自ドメインは、事務所で使う固有のURLです。無料プランでの利用可否、広告表示、取得料と更新料を確認します。
文章や画像を取り出せるか、URLを引き継げるかも見ておきましょう。
AIで原稿やページを作る場合は、公開後の修正方法まで確かめる
AIの使い方には、原稿や構成の下書きを作る方法と、ページ自体を生成する方法があります。後者の例として、WixのAIサイト作成機能では、事業について伝えた内容をもとにサイトを生成し、その後に編集する流れが案内されています。
コードを生成するAIでページを作る方法もあります。ただし、生成したファイルをどう公開するか、問い合わせをどこへ送るか、後から誰が修正するかは別に決める必要があります。コードの確認を自分でできない場合は、編集画面で修正できるサービスを候補にすると、管理の負担を判断しやすいでしょう。
AIが書いた経歴・料金・実績をそのまま掲載してはいけません。提供していない業務や、実在しないお客様の声が混ざっていないか確認します。使う前に「料金を変更するところまで自分で試す」と決めておくと、生成の手軽さ以外も比較できます。
自作にかかる費用は、初年度と翌年以降に分けて確認する

無料で作成できることと、希望する形で公開・運用できることを分けて見積もりましょう。
ドメイン・サーバー・ツールの利用料を合計する
確認する費用は次のように整理できます。サービスの料金にサーバー代が含まれていれば、同じ用途の費用を重ねて計上しないようにします。
| 費用項目 | 初年度に確認すること | 翌年以降に確認すること |
|---|---|---|
| 独自ドメイン | 取得料、無料特典の対象条件 | 更新料、管理費用 |
| サーバー | 契約期間、初期費用、バックアップ | 更新時の料金、復旧の費用 |
| 作成サービス | 公開に必要なプラン、支払い総額 | 更新料金、機能追加による変更 |
| AIツール | 無料枠、有料契約、生成回数の上限 | 継続利用の必要性、追加利用料 |
| テーマ・素材 | 購入費、商用利用の条件 | 更新料、利用期限 |
料金の具体例として、Studioの公式料金表に掲載されたプランを挙げます。2026年10月26日確認時点の税込価格です。サイト単位の利用料であり、独自ドメインの取得・更新などは別に確認してください。
| プラン | 年払い時の月額換算 | 年払いの年間利用料 | 月払い時の月額 |
|---|---|---|---|
| Mini | 590円 | 7,080円 | 1,290円 |
| Personal | 1,190円 | 14,280円 | 1,720円 |
| Business | 3,980円 | 47,760円 | 5,460円 |
年払いの金額は、月ごとに支払う金額ではありません。また、Miniは公開ページ数が2ページと404ページまでのため、業務別の説明ページを増やしたい場合は制限を確認します。契約方法で支出が変わる例であり、業界相場を示した表ではありません。
写真・有料テンプレート・保守にかかる費用を見込む
代表者写真を撮影したり、有料テンプレートを購入したりすれば追加費用が発生します。AIで制作する場合も、AIの利用料とサイトを公開する費用が同じ契約に含まれるとは限りません。
WordPressの保守を依頼するなら、更新だけか、バックアップや復旧、フォームのテストまで含むかを確認します。月額料金だけを比べず、どの作業を任せられるかを見積書に残しましょう。
制作費と自分の作業時間を合わせて比較する
操作を調べる時間や原稿を直す時間も、自作に必要な負担です。自分の作業時間を金額に換算するなら、見込む時間と時間あたりの単価を置いて計算できます。ただし、その額をそのまま失う売上と考えず、案件の状況や開業準備の優先順位も含めて判断します。
初年度の支払額、翌年の更新額、自分が担当する作業。この3点を同じ紙に並べて、自作と外注を比べてください。
税理士事務所のホームページを自作して公開するまでの手順
ツールを開く前に、掲載内容のメモを用意すると制作を進めやすくなります。AIで作る場合も、最初に渡す事務所情報がページの土台になります。
相談してほしい相手と、対応する業務を決める
開業したばかりの個人事業主と、経理担当者がいる法人では、必要な説明が異なります。
対応業務、地域、面談方法、受け付けていない相談を整理します。
サービス・料金・代表紹介・事務所情報の原稿を用意する
サービスには、支援する内容と含まれない作業を記載します。料金が条件によって変わる場合は、売上規模や記帳の分担など、見積もりに必要な条件を説明しましょう。
代表紹介では経歴だけでなく、相談を受ける際に大事にしていることも、自分の言葉で書きます。事務所情報と相談の流れもそろえ、AIには確認済みの情報だけを渡します。
指示は、例えば次のように書けます。
税理士事務所のホームページを作ります。以下に記載した対応業務・対象顧客・相談方法だけを使って、トップページの構成と原稿の下書きを作ってください。不明な料金・経歴・実績は補わず、確認が必要な項目として本文と別に一覧にしてください。
この後に事務所情報を添えます。顧客の名前や申告資料をそのまま入力する必要はありません。
テンプレートに原稿と写真を配置し、問い合わせ先をつなぐ
写真は実際の代表者や事務所が分かるものを用意し、AIで生成した人物をスタッフとして掲載しないようにしてください。
AIがページを生成した場合も、表示されたフォームが実際に送信できるとは限りません。送信先、入力項目、完了画面、自動返信の有無を設定し、受信側まで確かめます。契約や管理に使うアカウントは事務所で把握できる状態にしておきましょう。
スマートフォンの表示とフォームの受信を確認して公開する
公開前にスマートフォン実機でも開き、表や文字がはみ出していないか、電話や問い合わせのリンクが押せるかを確認します。テスト送信では、通知メールと自動返信の到着、迷惑メールへの振り分けも見ます。
確認用のメモには、料金・連絡先の正確さ、リンク切れ、写真の利用条件、公開するページの設定も含めます。公開URLを別の端末から開き、閲覧から問い合わせまで一度通してみてください。
自作したホームページから相談につなげるために整えること
自作ツールの機能を増やす前に、業務内容や料金の説明に抜けがないか確かめましょう。
地域や相談内容が伝わるサービスページを作る
実際の対応地域と業務を、ページのタイトルや本文に自然に含めます。「税務顧問」だけでなく、どのような事業者の、何を支援するのかを説明すると、相談者が自分との関係を確かめられます。
地域名を入れ替えただけのページや、AIで似た説明を増やすことを目的にしないでください。相談前に知りたい資料や業務の分担など、先生が説明できる具体的な情報を加えます。
誰が対応するか、料金に何が含まれるかを明示する
相談する人には、専門用語だけでは分からないこともあります。面談は誰が担当するのか、初回相談は有料か、顧問料に決算申告が含まれるか。
私たちも、先生の専門性や仕事への姿勢を伺い、「相談者が依頼を判断するための情報」に整理することを重視しています。自作でも、普段の面談で説明している内容を原稿へ加えることから取り組めます。
公開後は検索での表示状況と問い合わせまでの動きを確かめる
Google Search Consoleでは、検索語やページ別の表示回数・クリック数などを確認できます。表示されているページと実際の相談内容を照らし合わせ、説明の追加や問い合わせ先への案内を見直します。
GoogleのSEOスターターガイドでも、読みやすく独自性があり、役に立つ情報の提供を勧めています。ツールやAIの利用だけで掲載順位が保証されるわけではありません。公開したページから順に、内容と相談のしやすさを確かめましょう。
自作を続ける負担が大きいときは、外注する範囲を整理する
自作したものをすべて捨てると決める前に、原稿・写真・ドメインなど、引き継げるものを整理しましょう。
原稿や構成が決まらず、公開できない場合
配置を何度変えても、受けたい相談や強みが決まらなければ原稿はまとまりません。この場合は、操作を覚えることより、サービスの整理や掲載内容の検討に支援が必要かを考えます。
AIの下書きがしっくりこない場合も、どの説明が事務所の実態と違うのかを整理しておくと、依頼先との相談に使えます。
更新・保守や集客改善に手が回らない場合
更新や改善に手が回らなくなったら、任せたい作業と自分で続けたい作業を分けます。
WordPressの公式バックアップ案内では、ファイルとデータベースの両方を対象にしています。作業を依頼する際も、どこまで保存し、復旧時に何をしてもらえるか確認してください。
自作した内容を引き継げるか、依頼先へ確認する
使っているサービス、契約者、ドメインの管理先、掲載原稿、画像の利用条件をまとめて渡します。AIでコードを生成した場合は、ファイル一式や公開先も共有できるようにします。
既存サイトを修正できるか、別の環境で作り直す必要があるかは、構造と依頼先の対応範囲で変わります。制作費だけでなく、公開後に誰がどの方法で更新するかまで相談して決めましょう。
よくある質問
Q. 無料で税理士事務所のホームページを作れますか?
A. 無料で編集や試作を始められるサービスはあります。ただし、独自ドメインでの公開や広告の非表示、必要なフォーム機能には費用がかかる場合があります。WordPressもソフトウェア自体は無料ですが、公開環境は別です。無料で試せる範囲と、実際に運用するための契約条件を分けて確認してください。
Q. パソコンが得意でなくても自作できますか?
A. 操作しやすいサービスを選び、掲載内容を整理すれば、自作を検討できます。ただし、誰でも同じ時間で完成するわけではありません。試用時に文章の修正やスマートフォン表示の調整まで行い、分からない操作を調べながら続けられるか確かめましょう。公開後の更新も含めて判断します。
Q. 自作するならWordPressが必要ですか?
A. 必須ではありません。ホームページ作成サービスや、AIでサイトを生成する方法も選べます。業務ページや記事をどう増やすか、誰が更新するか、保守をどこまで担当するかで適する方法が変わります。評判だけで決めず、必要なページと公開後の作業を書き出し、その作業ができるものを選んでください。
Q. AIだけで税理士のホームページを完成させられますか?
A. AIは原稿の下書きやページ作成を補助できますが、事務所情報の正確さや、相談者に必要な説明がそろったかは人が確認します。料金・経歴・実績を補わせず、実際の提供内容に合わせて修正してください。見た目が完成しても、ドメイン設定、送信テスト、公開後の更新方法まで確認する必要があります。
Q. 自作したホームページでもSEO対策はできますか?
A. できます。ページごとの内容を明確にし、相談者に役立つ情報や分かりやすい案内を整えることから始めます。利用ツールによって設定できる項目は違いますが、キーワードを増やすだけで検索順位が上がるわけではありません。公開後も検索での表示状況を確認し、情報の不足や古くなった説明を見直します。
Q. 自作したホームページを後から制作会社に引き継げますか?
A. 使っているサービスやサイトの構造、依頼先の対応範囲によります。文章や写真を活かせても、デザインや機能は作り直す場合があります。利用中のサービスと引き継ぎたい内容を伝え、費用と今後の更新方法を確認してから依頼しましょう。
まとめ
税理士のホームページは、WordPress、作成サービス、AIを活用して自作できます。選ぶ際は、希望するページを作れるかに加え、費用、原稿の準備、公開後の管理まで確かめてください。
まず、相談してほしい相手、対応業務、料金条件、担当者、相談方法を整理しましょう。AIを使う場合も、本人が内容を確認し、生成結果を修正しましょう。
私たちは、先生のお話を伺い、専門性や仕事への思いをホームページの言葉と構成に整理し、制作・公開後の運用を支援しています。自作を進める中で手が止まった方や、制作・運用の依頼を検討している方は、ツタウェブへのお問い合わせから、現在の状況をお聞かせください。
参考文献
- WordPressとは — ソフトウェアの基本情報。
- WixのAIサイト作成機能 — AIを使った生成と編集の案内。
- Studio料金プラン — プラン料金・公開ページ数。2026年10月26日確認。
- Studioの料金表示について — 表示価格が税込であることの案内。
- Google公式SEOスターターガイド — SEOと情報整備の基本。
- Search Consoleの検索パフォーマンス — 表示回数・クリック数などの確認方法。
- WordPressのバックアップ — 保存対象と復旧への備え。