アクセス数はあるのに、ホームページが相談につながっているか分からない。毎月レポートを見ていても、ユーザー数やPVの増減だけでは、次にどこを改善するか判断しにくいことがあります。
私はウェブサイトの運用支援で、サイト全体のアクセスに加え、サービスページなどの閲覧、フォームへの到達、送信完了を確認しています。さらに、事業者の方に記録していただく相談・面談・成約の状況と合わせて振り返ります。
ツタウェブの前原直樹です。GA4の数字は、実際の相談状況も合わせて読むと、調べるべき課題を整理しやすくなります。運用管理シートの項目に沿って、ページの閲覧から問い合わせまで、確認する内容をお伝えします。
ユーザー数・セッション・PVでサイト全体の変化をつかむ

訪問した人・訪問の回数・ページの表示回数を分ける
まず、サイト全体の状況を確認します。運用管理シートでは、ユーザー数、セッション数、ページビュー数を分けて記録しています。似た数字に見えても、それぞれ表しているものが違うためです。
ユーザー数は、計測上識別された利用者に関する指標です。GA4には総ユーザー数やアクティブユーザー数などがあるため、レポートでどの指標を使っているかを確かめます。実際の人の数を、端末をまたいで完全に把握できるという意味でもありません。
セッション数は訪問のまとまり、PVはウェブページが表示された回数を見るものです。同じ人が訪問し直す場合も、同じページを複数回表示する場合もあるので、人数・訪問・表示を区別して読みます。
同じ期間・同じ指標で増減を比較する
全体の数字は、サイトに大きな変化がないかをつかむ入口になります。ただし、増えたからよい、減ったから悪いとは、ここだけで判断しません。
比較するときは、期間や対象をそろえます。月の途中までの数字を前月全体と比べたり、異なるユーザー指標を同じ欄に並べたりすると、実態とは違う変化に見える場合があります。計測設定を変更した時期も残しておくと、振り返りやすくなります。
なお、月ごとのユーザー数を足しても、年間の重複を除いた利用者数にはなりません。同じ人が別の月にも訪れることがあるためです。合計欄の数字をそのまま年間の実人数とせず、確認したい期間を元のレポートで指定します。
| 項目 | 確認すること | 次に合わせて見ること |
|---|---|---|
| ユーザー数 | 計測上の利用者の変化 | 指標の定義、対象期間 |
| セッション数 | 訪問のまとまりの増減 | 流入経路ごとの変化 |
| PV | ページが表示された回数 | 主要ページごとの閲覧 |
| フォーム到達 | 相談の入口への到達状況 | 到達イベントの定義、送信完了 |
| 送信完了 | 設定した完了イベントの発生 | 計測の動作、実際の相談記録 |
どこから訪問したかを、流入経路ごとに確認する

検索・他サイト・SNSなどの入口を分ける
サイト全体に変化があったら、流入経路を分けて見ます。検索から来たのか、他サイトのリンクから来たのか、SNSを経由したのかによって、調べる対象が変わります。
私の管理シートでも、自然検索、Direct、他サイト経由、SNSなどの項目を分けています。訪問が増えているときに、どの入口で増えているかを確かめるためです。
月ごとの訪問を比較するなら、セッションにひもづく流入の指標を使うなど、見る範囲もそろえます。初めてユーザーを獲得した経路と、その月の各訪問の経路は別の見方です。数字だけでなく、使っているレポートの意味も確認します。
流入数の変化から、追加で調べる経路を選ぶ
自然検索からの訪問が減っているなら、サーチコンソールで表示・クリックを確認する方法と合わせて、検索側の変化を調べます。検索語やページを絞ることで、どこで接点が減ったかを考えやすくなります。
他サイト経由の訪問が変わったなら、参照元の内訳を確認します。SNSからの訪問についても、投稿やリンクの状況を振り返る手がかりになります。ただし、チャネルの数字だけで、特定の投稿が問い合わせを生んだと断定はできません。
まず、変化のある入口を見つける。そのうえで、参照元やページなど、必要なところを追加で調べます。この順序なら、すべての項目を同じ深さで調べ続ける負担も抑えられます。
分類名だけで訪問理由を決めつけない
Directは、URLを直接入力した訪問だけを意味するものではありません。参照元を識別できない訪問なども含まれ得るため、増えたから名前を覚えた人が増えたと、すぐには言えません。
AIサービスからの流入を別枠で見る場合も、分類の条件を確かめます。管理表に専用の項目があっても、どのサービスや参照元を含めたのかが分からなければ、ほかの数字との比較が曖昧になります。
また、サーチコンソールのクリック数と、GA4の自然検索セッション数は異なる指標です。対象となる検索サービスや計測の条件などが違うため、同じ件数になるものとして扱わず、それぞれの変化を確かめます。
サービス・地域・事例ページが見られているかを確認する

相談を判断するための主要ページを選ぶ
全体のPVを確認した後は、相談を検討するうえで必要なページに目を向けます。運用管理シートには、特定のサービス、対応地域、事例に関するページの閲覧数を記録しています。
このようなページでは、何を頼めるのか、対応範囲はどこか、どのような仕事をしているのかなど、依頼を判断する情報を伝えます。どのページを追うかは、事業として増やしたい相談に合わせて決めます。
閲覧の多いページだけを上から並べると、相談先を比較するうえで必要なページが見落とされることもあります。サイト全体の人気と、事業上確かめたいページは分けて整理します。
サイト全体のPVと、主要ページのPVを分けて見る
全体のPVが増えていても、特定のコラムだけが多く読まれているかもしれません。サービスページや事例ページにどの程度の閲覧があるかを分けると、追加で調べる場所が見えてきます。
一方、PVがあるから、説明を最後まで読んでもらえたとは限りません。同じ人の再表示も含まれますし、ページの内容に納得したかも、表示回数だけでは分かりません。
月次の集計では、まず主要ページの変化をつかみます。より詳しく調べる必要があれば、入口のページや経路などを追加で分析します。集計表にページ別PVがあるだけで、訪問者の移動順まで確認できたことにはしません。
閲覧が少ないときは、入口とページ内容を確認する
主要ページの閲覧が少ない場合は、ページへの入口を見直します。検索から見つかっているか、関連するコラムから進めるか、メニューの表記で内容が伝わるかなどが確認候補です。
同時に、ページを開いて中身も確認します。相談者が知りたい情報があるか、説明の順序に無理がないか、相談方法が分かるか。アクセスの表だけでは見つからない課題もあります。
ページを追加する場合は、悩みを読み取ってキーワードとページを企画する方法に戻って、何に答えるページが必要なのかを整理します。閲覧を増やすことと、判断しやすい内容にすることを合わせて考えます。
フォーム到達・送信完了を分けて、問い合わせまでを見る
フォームに到達しているかを確認する
フォームに来ていないのか、来ているが送信されていないのか。この違いを見るため、運用管理シートではフォーム到達と送信完了を別々に記録しています。
フォームへの到達が少なければ、相談ボタンの位置や文言、ページからの導線を確認する候補になります。ただし、フォーム以外に電話などの窓口があれば、そちらから相談が入っている可能性もあります。フォームだけでサイト全体の成果を決めないようにします。
GA4で到達を記録するには、その状態を捉える計測が必要です。問い合わせページの表示なのか、フォームの表示なのか、ボタンのクリックなのか。管理表に「到達」と書くときも、定義をそろえておきます。
送信完了まで進んでいるかを確認する
フォーム到達の後は、送信完了の計測を確認します。フォームの送信操作を捉えたイベントと、事務所側で実際に受け付けた問い合わせが、常に一致するとは限りません。
完了ページの表示や送信成功に対応したイベントを使う場合も、テストして動作を確かめます。入力エラーで止まった場合や、再読み込みした場合などに、意図した件数になっているかを見る必要があります。
到達と完了に差があるときは、入力項目の負担、スマートフォンでの操作、エラー表示、送信後の動作などを確認します。どれも原因の候補であり、数字の差だけを見て入力欄を減らせば解決すると決めるものではありません。
送信完了率を読む前に、イベントの定義をそろえる
今回の管理表での送信完了率は、送信完了数をフォーム到達数で割って見る指標です。サイトを訪れた全員を分母にする率とは、対象が違います。
到達と送信がイベントの発生件数なら、その比率は必ずしも「到達した人のうち何人が送ったか」を示しません。同じ人の繰り返しや、計測の対象範囲が影響するからです。個人単位での完了状況を知りたいなら、条件をそろえた別の分析が必要です。
| 確認する段階 | 数字から考える疑問 | 追加で調べる内容 |
|---|---|---|
| 主要ページからフォームへ | 相談の入口まで進めているか | 導線、相談方法、別窓口の利用 |
| フォーム到達から送信へ | どこで操作が止まる可能性があるか | 入力項目、表示、エラー、計測 |
| 送信から有効な相談へ | 対象とする相談が届いているか | 実際の受付記録、重複、相談内容 |
| 相談から面談・成約へ | 事業に合う相談につながっているか | 対応内容、面談結果、契約状況 |
件数が少ない月は、一件の違いでも率が大きく変わります。率だけを強調せず、元の件数と期間を合わせて確認します。
問い合わせの内容・面談・成約を、クライアントと確認する
送信イベント数と、有効な相談件数を分ける
フォームの送信が増えても、増やしたい相談が増えたかは別に確認します。一般に、フォームには営業の連絡や対象外の相談、重複した送信が含まれることもあるためです。
私は、アクセスなどを記録する項目と、事業者の方に記録していただく相談の項目を合わせて見ています。GA4の数字だけで話を完結させず、実際に何が届いたかを確認するためです。
ここでいう有効な相談の範囲も、事業者の方と合わせます。相談件数と送信件数の差を、すべて計測ミスとみなすのではなく、対象や受付方法が同じかを先に確かめます。
面談・成約の記録と合わせて成果を振り返る
管理シートには、無料相談の申し込み、面談、成約を記録する欄もあります。サイト内の行動を追った先で、実際の事業にどうつながったかを振り返るための項目です。
ただし、この記録を並べるだけで、誰がどの検索語から来て、どのページを読み、成約したかが分かるわけではありません。集計表で確認できることと、個別の経路として分かることは区別します。
事業者の方には、どのような相談だったか、対応できる内容だったかも聞きます。ウェブ上の数字と現場で起きていることを行き来すると、増やしたい相談と、今のページの内容との関係を考えやすくなります。
次の一か月で取り組む改善を絞る
振り返りの後は、次に何をするかを決めます。入口を増やすのか、主要ページの説明を整えるのか、フォームを確認するのか。課題の段階によって、必要な作業は変わります。
変更したページ、作業内容、実施時期を残しておけば、次の確認時に振り返れます。変更の直後に数字が動いても、それだけで原因と断定せず、検索需要や計測の変化も確かめます。
すべてを一度に直そうとするより、事業上の優先順位と、今確認できた課題から取り組む内容を絞ります。分析を、実際に進められる作業へつなぐところまで考えます。
よくある質問
Q. PVが多いページほど問い合わせに貢献していますか?
A. PVだけでは判断できません。多くの人に読まれる情報ページと、依頼を比較検討するサービスページでは役割が異なります。閲覧数に加え、ページが伝える内容、相談への導線、問い合わせの実態を確認します。PVが少ないという理由だけで、必要なサービスページを削る判断はしません。
Q. GA4の問い合わせ数と実際の問い合わせ数が違うのはなぜですか?
A. イベントの定義、重複、計測されない訪問、問い合わせの対象範囲など、複数の理由が考えられます。まず、何を問い合わせとして数えているかをそろえます。実際の受付とイベントの動作を確認し、差があるという理由だけで、どちらかの数字が誤りだと決めつけません。
Q. フォーム到達が多く送信が少ないとき、何から確認しますか?
A. 到達と送信完了の計測が意図どおりかを確かめ、その後にフォームを実際に操作します。入力項目、スマートフォンでの表示、エラー時の案内などが確認候補です。到達した人が全員依頼を決めているわけではないことも踏まえ、率だけから原因を一つに絞らないようにします。
Q. 電話や紹介からの問い合わせはどう扱いますか?
A. 事業者側の受付記録で把握し、フォームの件数と分けて整理します。電話ボタンのクリックを計測していても、それが通話や有効な相談の完了を意味するとは限りません。紹介の場合も、ホームページを比較検討に使ったかを聞ければ参考になりますが、確認していない経路は推測で補いません。
Q. サーチコンソールとGA4の数字は一致するものですか?
A. それぞれの指標や計測対象が違うため、同じ件数になるとは限りません。検索での表示・クリックはサーチコンソール、訪問後の行動はGA4というように役割を分けます。差が急に変わった場合には設定も確認しますが、一致させること自体を目的にはしません。
アクセスから実際の相談までを見て、次の改善を決める
GA4では、サイト全体の変化、訪問の入口、主要ページの閲覧、フォーム到達・送信を段階ごとに見ます。実際の相談・面談・成約は、事業者側の記録も合わせて振り返ります。
私は、レポートを作るところから、どのページを直し、どんな情報を追加するかまで、一緒に考えています。ホームページ運用代行・コンサルティングの案内をご覧いただき、分析から改善までの進め方に迷っている場合は、お問い合わせフォームから現在の状況をお知らせください。
参考文献
- GA4のユーザー指標について — 総ユーザー数とアクティブユーザー数の違い。
- UAとGA4の指標の比較: Google アナリティクスとユニバーサル アナリティクス — ユーザー、セッション、表示回数に関する定義。
- デフォルトチャネルグループ — 流入経路の分類。
- 拡張計測機能イベント — フォーム操作など、収集されるイベント。
- GA4のセッションについて — セッションの計測の考え方。
- Search Consoleのデータについて — 両ツールの差異に関する説明。